名実ともに九州の玄関口である博多駅。その駅前にある訳なので「博多駅前」という名前は自然なものと理解はできますが、ここでひとつ気になったのは「A」というアルファベットが語尾についている点です。
もうお判りだとは思われますが、天神同様に博多駅前もまた道路が「バスターミナル」状態なのです。手前からA,B、Cと続き反対側にはE、Fと降車専用(Eと交わるところにも降車専用)があります。さらに大博通りにも降車専用があって、そして駅東側には博多バスターミナルがあって・・・都合8つの「博多駅前バス停」が存在することになります。
これだけ分散しているのであれば、いっそ博多バスターミナルに集約してしまえば・・・と考えがちですが西鉄バスの系統図を考えた時、博多駅を経由地とする系統はターミナル内を通すと冗長になってしまい、さらに駅止まりまでターミナルに入れてしまうと・・・それこそ収拾がつかなくなってしまいます。
ひとつにまとめれば便利にはなるが一方でひとつにまとめると不便になる、そんな二律背反というパラドックスを博多駅前で発生させない努力の結果が、8つの「博多駅前バス停」というカタチになって表れたというのはマニア的にも、都市交通政策を考える上でも興味深い事例と言えます。
【バス停データ】
博多駅前A(はかたえきまええー)
全路線の把握は難しいのですが、住吉・渡辺通り方面向け路線が多く発着しています。始発ではなく「通し」の路線が出ている感覚でしょうか(始発便は隣の博多BTから)
(平成30年3月30日訪問)